2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side
     Twenty two --**



最後の写真に目を通すと、父ちゃんは俺を見て微かに笑った。


笑ったのかもしれないし笑わなかったのかもしれない。でも俺には、父ちゃんの表情が笑ったように見えた。


「母さんにも見せたいんだが」


見終わったあとの父ちゃんの第一声はそれだった。


「別に」


栞のことを認めてくれたのか?
認めようとしてくれているのか?


そのどちらでも俺には大進歩だ。俺は即答した。


「分かった」


そう言ったあと、父ちゃんは短いため息をついた。


そして腰を上げ、ドアのほうへ向かっていく。


「……しつこいようだけど、直貴は本気なんだな?」


ドアノブに手をかけると、父ちゃんは俺を少しだけ振り返って聞いた。


「本気」


全身全霊を込めて、俺は真っすぐに父ちゃんを見て言った。


「そうか。……この前は殴って悪かったな、直貴」


そう言って、父ちゃんはアルバムを持って部屋を出ていった。
 

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