2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty two --**
「はぁ……」
父ちゃんが部屋を出ていくと、俺はため息をつかずにはいられなかった。
少しの会話、それも親子らしくない会話だったから、緊張の糸が切れて一気にドッと疲れが出た。
父ちゃんが何を思ってアルバムを持っていったのかはまだ分からない。
誰にも見つからないだろうというところに隠したこのチョコも、どうして母さんに見つけられたのかも分からない。
だけど、これで少しは前に進めたんじゃないだろうか。
ずっと“ダメだ”と言われ続けてきたことだから、なんだかうれしかった。
希望が出てくる。
結婚を許してくれるかもしれないという希望が湧いてくる。
2ヶ月半ほどの時間をかけて、やっと俺の気持ちが父ちゃんと母さんに伝わったんじゃないだろうか。
結局俺は、最後にはいつも栞に救われている。
教師の夢のこともそう。
今だって、栞がくれたチョコがなかったら父ちゃんが俺と話をしようとはしなかっただろう。