2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty two --**
それがうれしくもあり……やっぱり悲しい。
俺は、いつも栞から大きな気持ちをもらってばかりだ。
その気持ちに応えられなかったときもあった。そばにいることを諦めたときもあった。
だけど、今思い返せば俺のこの1年は栞の存在なくしては語れないものだ。
栞の気持ちに応えられるのは、今がラストチャンス……。
栞から特大のチャンスをもらったと思って、この先、父ちゃんと母さんを説得しようという思いがさらに強くなった。
父ちゃんと母さんが首を縦に振ってくれれば、ヒデと雪ちゃんもそうしてくれるかもしれない。……あとは栞だけだ。
淡い色だった期待が、どんどん濃くはっきりとした色の期待へと変わっていく。
いつも泣いてばかりだった俺の部屋に、久しぶりに笑顔が戻った瞬間だった。
少し開いた箱の中からは、甘いチョコの香りが漂っていた。
箱を開けてチョコを1つ取ってみた。……そして、じっくり眺めたあとに口に入れる。