2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty three --**
三浦さんの目に涙が浮かんでいるのが見えた。気丈な三浦さんが、こんなワタシなんかの言葉で泣いてくれている……。
三浦さん、ありがとう……。
「だからね三浦さん、ワタシのお葬式に出てくださいね」
「……え?」
「お願いします」
「……」
ワタシがそう言うと、三浦さんの目からは涙が流れた。
「……はぁ。やっぱり来るんじゃなかったわ。こんなことを聞くために来たんじゃないのよ、私は」
三浦さんはそう言った。
だけど、ワタシにはなんとなく分かる。三浦さんは“看護師”の三浦さんとして来たんじゃないってことが……。
仕事を抜きにして、個人としてワタシに会いに来てくれたことが。
三浦さんとはそういう人だから。
「すみません」
「ほんとよ」
ワタシが力なく笑うと、三浦さんも涙目で笑い返してくれた。
そしてすぐに、三浦さんは、
「正直にね」
と言って、涙を拭いながら帰っていった。