2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty three --**



「そうかな?」

「うん。絶対そう!」


そして、ワタシも雪もお互いを確かめ合うようにニコッと笑った。


雪の久しぶりのこの笑顔。
ワタシは何度、こうして雪に救われたことか。……かけがえのないワタシの親友だ。


――??


「……あれ、ヒデは?」


いつもなら最後に声をかけるはずのヒデが見当たらなかった。


気になったワタシは、2人に聞いてみた。


「補習だって。試験の」


直貴が苦笑いを浮かべながら答えてくれた。


「そっか。もう試験の時期か」

「なんで赤点取るバカがいるんだってグチってたよ、ヒデのやつ」

「ふふっ。ヒデの教え方が悪いんじゃないの?」

「「毒舌〜!」」


ワタシがそう言うと、直貴と雪は声をそろえて軽いツッコミを入れた。


「ヒデには内緒ね?」

「「もちろん」」


本当に久しぶりの楽しい会話。


三浦さんが来てくれなかったら、ワタシは今日も寝たふりをしていただろうな。
 

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