2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty three --**



「……どう?びっくりした?」

「……」


――どういうつもり?


ワタシは状況が全く飲み込めなかった。


「……結……婚……してほしいんだけど」

「……」


――今、なんて?


それは、あまりにも突然なプロポーズだった。


余命いくばくもないこんなワタシをつかまえて、直貴にしては冗談が過ぎる……。


ワタシは直貴から目をそらせず、ただただ目を丸くしたまま口をポカンと開けるだけだった。


「ずっと前から説得してきたんだけど、なかなかうまくいかなくて……。一時はヒデと雪ちゃんにも反対されたよ」


直貴は、そんなワタシにかまうことなく次の言葉を話し、また何かを話そうと息を吸った。


「でも、栞が作ってくれたチョコのおかげで、なんとか両親が栞に会うって言ってくれたんだ。……ずっと黙っててごめんな?」

「……」


その言葉のあと、ワタシはやっとのことで瞬きができた。瞬きさえも忘れるくらいの衝撃のサプライズだった。
 

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