2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty three --**
今日こそは、今日こそは……、そう思って栞に会いに行くんだけど、集中治療室に移った栞はずっと寝たままだった。
俺たちを避けているのか、それともただ単に眠っているだけなのか……。
それは栞のみぞ知ることだから、俺は黙って待つしかなかった。
そして今日。
今日は、久しぶりに起きている栞に会うことができた。
栞は、俺が8月に再会したときよりもさらに痩せ、点滴のあとが痛々しいほどに腕に付いていた。
それでも栞は頑張っている。
だから俺は、結婚を諦めずにいられたし栞と話せる日を待ち続けることができた。
今日の栞はいくぶん調子が良さそうで、俺と雪ちゃんが面会に行くと笑顔で出迎えてくれた。
――今日こそ言うんだ。
やっと巡ってきたチャンス、プロポーズのチャンスは今しかない。
そう思った俺は、ざっと場の空気を温めたあと、意を決してプロポーズすることにした。
立ち会い人は雪ちゃんだ。