2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty three --**
本当はヒデもいるはずだったんだけど、ヒデは運悪く補習授業が入ってしまった。
栞に会いに行く前にヒデから電話が入って、
「悪ぃ直貴、今日は行けそうにねぇや。赤点取った奴がいてよ、補習しなくちゃなんねぇんだ。ほんと、悪ぃ」
と、俺が“もしもし?”と言う前に切羽詰まった感じで言われてしまった。
そして、チャイムが鳴るのと同時に「じゃあな」と申し訳なさそうに言って、電話を切られてしまった。
そんなわけで、今日は俺と雪ちゃんの2人だけで栞に会いに行くことになった。
ヒデの話題が終わったところで、いよいよ俺の渾身のプロポーズが始まる。
病院の廊下で何度も雪ちゃんを相手にリハーサルしてきたプロポーズ。
言うことはもうとっくに決まっている。……両親に会わせたいということ、俺が栞をどう思っているかということ。
……どれだけ栞を愛しているかということ。
その全てを伝えるときがやってきたんだ。