2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty three --**
栞は分かっているかな……?
俺の気持ちに。
“愛してる”。
“恋”が“愛”に成長したんだ。
俺は、栞や両親からいつも愛をもらって生きてきた。
愛を知ると、その愛を自分の大切に想う人に捧げたいと思うようになる。
それが栞。
栞なんだ。
前に栞が過去のことを涙ながらに告白してくれたとき、栞は言ってたよな?
―『愛する気持ちってどんななんだろう?』―
って。
きっとそれは、まん丸いんだよ。
俺が渡したムーンストーンのネックレス、その形をしてるんだよ。
全てを包み込むような温かさと、凛とした強さと……それから少しのわがまま。
あのネックレスを首にかけてやったとき、俺は、
「絶対に離れらない運命」
と言った。
でもそれは間違いだった。
“運命”なんかじゃない。
これは“宿命”。
俺と栞は、出会うべくして出会った宿命の相手同士だったんだよ。