2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side
     Twenty three --**



宿命の相手同士が交わすリング。
そのリングが今日、やっと手の届くところに見えてきた。


栞の幸せそうで……それでいて悲しそうな涙を見ていると、俺はただただ笑顔を返すことしかできなかった。


何度も何度も“俺の家で葬式を出してやるからな、墓に入れてやるからな”と口をついて出そうになった。


栞も俺も、よく分かっている。
分かっているけど、言わないだけなんだよな。


愛しているからこそ、俺は栞の最期を夫として看取りたい。


こんな愛の形、他の人はどう思うか分からないけど、少なくとも俺たちの周りの人たちは認めてくれたし認めようとしてくれている。


栞、最後にでっかい花火を打ち上げよう。


すぐに消えるとしても、俺はずっと覚えているから。


栞は幸せの真ん中に堂々といればいい。俺が……俺たちが栞を守るよ。


怖がらないで、ただ俺や雪ちゃんやヒデと手をつないでいればいい……。


幸せの真ん中はすぐそこにある。
 

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