2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty three --**
バシッ!
「いでっ!」
赤くなる顔を隠しつつ“おう”と言うと、突然背中を叩かれてしまった。
“何すんだよ”という目でヒデを見ると、ヒデは少し潤んだ瞳を俺に向け、感無量だという顔をしていた。
――ヒデのこんな顔、初めてだ。
俺は言葉に詰まる。
雪ちゃんも何も言えない様子だ。俺たちの背後にいるから分からないけど、雰囲気でなんとなく分かった。
「あとは親父さんとおふくろさんだけだな。……頑張れよ」
そして、最高の笑顔と最高の言葉をかけてくれた。
「大丈夫。俺が本気だってこと、ちゃんと分かってくれてるから」
俺も最高の笑顔を返す。
「そうだよヒデくん。大丈夫、2人なら大丈夫だよ」
雪ちゃんもそう言ってくれた。
「そうだな」
ヒデが言う。
「そうだよ」
雪ちゃんも言う。
俺は2人を見て1回、深く頷く。そしてそれぞれの家路についた。