2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty four --**
シャーッ。
カーテンが少しずつ開いていき、まず最初に見えたのは直貴の顔。
“開けるよ?”の声と同様、直貴の顔も緊張で強ばっていた。
次に見えてきたのは、直貴のお父さん――カジュアルな服に身を包み、顎に少しヒゲをたくわえた凛々しい顔をしたお父さん。
さらにカーテンが開くと、今度はお母さん――絵に描いたような“お母さん”の優しい顔をしたきれいなお母さん。
どちらかと言えば直貴はお母さん似だった。目もとがそっくりだ。
ワタシの前まで来ると、直貴のご両親はワタシに一礼してくれた。
ワタシもお辞儀を返そうとしたけど、起き上がるのも辛くなった今では首を少し動かすだけで精一杯だった。
「紹介する。俺の両親。こちらは小峯栞さん」
直貴が紹介する。
「はじめまして」
直貴のお父さんが口を開いた。
「はじめまして」
直貴のお母さんも口を開いた。
「……はじめ……まして」
そしてワタシも。