2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty four --**
緊張で声がうまく出なかった。
口がカラカラに渇いていく。
あいさつをしたワタシに直貴なぎこちない笑顔を向ける。
その笑顔が、さらにワタシの緊張のバロメーターを一気にを跳ね上げていく。
「……小峯さん、あなたは直貴がいいんですか?」
凛々しい表情を崩さず、直貴のお父さんが聞いた。
「……」
緊張のあまり、ワタシの口は少し開いたまま動かなかった。
「父ちゃん!俺が説明するって言っ……」
直貴がすかさず中に割って入ろうとしたけど、直貴のお父さんはそれを片手で制した。
「直貴でいいんですか?」
直貴のお父さんは、ニュアンスを変えてもう一度ワタシに聞いた。
「直貴が……」の“が”を“で”に変えて。
「……はい」
ワタシは、直貴のお父さんを真っすぐに見て答えた。
ワタシは真剣だった。
もちろん直貴のお父さんも真剣。
どうか伝わってほしい、ワタシが直貴を想う気持ちが……。