2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty four --**
直貴のお父さんは、ワタシに一瞬だけ微笑みを見せてくれた感じがした。
「……母さんからは?」
すると今度は、お母さんに話を振った。
直貴のお父さんは、ワタシの答えには返事をしなかった。
「小峯さんがそれでよければ、私からは何も……」
「そうか」
短いお父さんとお母さんの会話。
呆気に取られていたのは、ワタシと直貴だけだった。
「……そ、それじゃあ……」
やっと口を開いた直貴に、ご両親は小さく頷いた。
それを見たワタシは、緊張の糸がプツリと切れて涙が溢れ出した。
直貴もうれし涙をこらえきれない様子で、うるうるとした目をご両親に向けていた。
「……小峯さん。小峯さんが誤解しないように言っておきますが、これは同情ではありません。息子を想う親心です。息子が後悔しないような生き方をしてくれれば、私たち夫婦は満足です」
直貴のお父さんはワタシに視線を移し、そう言った。
「は……い……」