2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty four --**
「それから……ありがとう。次男のことがあってから、直貴はどこか遠慮していました。教師になる夢、もう一度思い出させてくれたのはあなたです」
「……」
そう言って、直貴のお父さんは深々とワタシに頭を下げた。お母さんも、お父さんに倣って頭を下げた。
ワタシは何も答えられなかった。ただただ、涙を流し続けるだけ。
「……それから……バカ息子を許してください。半年間あなたを1人にさせてしまったこと、私からもお詫びします」
「……」
直貴のお父さんは、頭を下げたまま言った。
「……それと、私のほうからも。今まで小峯さんのことを分かろうとしなくてごめんなさい。……会いに来るのが遅くなってしまってごめんなさい」
「……」
直貴のお母さんも、お父さんと同じく頭を下げたまま言った。
「2人とも……」
直貴はそう言ったきり、言葉に詰まって何も言わなかった。
――ワタシなんかのために……。
「頭を……上げてください」