2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty four --**



「先に死んでごめんなんて……言える立場じゃないのは……よく分かっています。でもワタシ……」


――愛してるんです……。


顔中ぐちゃぐちゃになりながら、ワタシは止まることのない涙を流し続ける。


「もういいのよ、小峯さん……。あなたの気持ちは痛いくらいに分かるわ。もう泣かないで」


直貴のお母さんが言った。
そして、ハンカチでワタシの涙を丁寧に拭ってくれた。


間近で見るお母さんの顔は、やっぱり直貴に似ていた。


その目からは涙が流れ、ハンカチを持つ手は微かに震えていた。


それでも瞳の奥には強い意志を秘めていて、それがワタシを認めてくれているようだった。


「約束してください、小峯さん。……あなたはずっと笑っていてください。直貴から見せてもらったあなたの写真は、いつも笑っていましたから……」


直貴のお父さんは、目頭を押さえてうつむきながらそう言った。


「……最期まで」


再びワタシを真っすぐに見て、そうつけ足した。
 

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