2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty four --**
「はい」
ワタシは、さっきよりも強い微笑でお父さんに答えた。
ワタシを丸ごと受け入れてくれたご両親は、しばらくワタシの手を握ってくれていた。
直貴は、その様子を目に涙をいっぱいためながらも微笑んで見ていてくれた。
どれくらい経っただろうか。
「それじゃあ、そろそろ帰るよ。あとは直貴、お前がついていてやりなさい」
「そうね。そのほうがいいわ」
ご両親は、ゆっくりとワタシの手を放すと直貴を見て言った。
直貴は“分かった”と頷いた。
「それじゃあ、また」
「また来るわね」
直貴と立ち位置を変わりながら、ご両親はワタシに温かな笑顔と言葉を向けてくれた。
「……はい」
まだ泣いていたワタシは、そう返事をするので精一杯だった。
もっとご両親に感謝の言葉を……と頭では考えているんだけど声に出てこなかった。
こんなワタシを娘だと言ってくれてありがとうございます、お父さん、お母さん……。