2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty four --**
ご両親が帰ると、ワタシと直貴の2人きりになった。
直貴はふぅと小さなため息をつきながら近くの椅子に座ると、ワタシに“よかったな”という笑顔を向けた。
ワタシはドッと疲れが出てしまって、ふにゃふにゃの笑顔にしかなれなかった。
まるで気の抜けたサイダー状態。
直貴もそんなワタシの笑顔を見て疲れが出たのか、ふにゃふにゃの笑顔だった。
2人とも気の抜けたサイダーになってしまった。
それから少しの沈黙が流れた。
なんだかその間が妙に嫌だったワタシは、なんとか会話を成立させようと頭を働かせた。
「ねえ直貴……」
「んー?」
気の抜けたサイダー同士、やっぱり気の抜けた会話。頭が春になったみたいだった。
それでもワタシは会話がしたい。直貴と会話がしたかった。
「ワタシ、夢の中にいるのかな」
「え、なんで?」
「だってさ、こんな奇跡みたいなこと、初めて経験したから……」
「ああ、俺も初めて。びっくりだよ……」