2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty four --**
「ねえ直貴……」
「あ!ダメだって、しゃべって疲れてるんだから。俺がついてるから安心して休め。な?」
ワタシが次に言いたかったのは、“愛してる”だった。
だけど、急に我に返った直貴に、ワタシの口は直貴の人差し指でふさがれてしまった。
「うん……」
――直貴に“愛してる”って言いそびれちゃった……。
「ごめんな、なんか……頭がいっぱいでボーッとしてた。夕方にはヒデと雪ちゃんも来るから、それまで寝といたほうがいいよ」
「分かった……」
「うん!」
正式に結婚を認めてもらえた直貴は、今までのどの直貴よりも違って見えた。
夫としての自覚、そういうものが体中からオーラとして出ているみたい。
ワタシはその雰囲気に圧倒され、促されるままに目を閉じることになった。
そしてすぐに、ワタシは直貴の温かい眼差しを全身に感じながら眠りに落ちていった。
今度2人きりになったときには、ちゃんと“愛してる”って言いたいな……。