2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side
     Twenty four --**



母さんが父ちゃんに聞かれ、


「小峯さんがそれでよければ、私からは何も……」


と言ったとき、答えが出た。


イエスのほうに針が傾いたんだ。父ちゃんと母さんは、悩みぬいた末に栞との結婚を正式に認めてくれた。


俺を見て小さく頷く2人から、俺は最高の答えをもらうことができた。


それからはもう、感激の嵐の連続だった。


父ちゃんが、結婚を認めるのは同情じゃなく息子を思う親心だと言ってくれた。……それが、たまらなくうれしかった。


そして「ありがとう」と。
俺が教師になる夢を再び持つことができたのは栞のおかげだと、栞に深々と頭を下げた。……それが、父ちゃんの誠意だった。


母さんは「ごめんなさい」と。
今まで栞に会いに来なかったことや分かろうとしなかったこと、頭を下げたまま栞に謝罪した。……それが、母さんの心からの言葉だった。


俺はこんなにも深く愛されていたんだ……それらの言葉からひしひしと伝わってきた。
 

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