2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty four --**
そして、泣いたり話すだけでも疲れてしまう栞からも、俺に対する気持ちを聞くことができた。
はっきりと声に出して、栞の口から直接聞くことができた。
泣きながら必死に2人に訴えかける栞は、疲れるからと止めに入る俺の声も届かない様子だった。
だけど、
最高の言葉、
一番聞きたかった言葉……。
“好きなんです”
それを聞いた瞬間、俺の胸は幸福と安堵感と……愛で弾け飛んだ。
栞から初めて聞いた“好き”という言葉。それだけで、俺はもう放心状態、頭が春だった。
離れていた間もずっと俺を想い続けていてくれた栞に対して、返す言葉も出てこなかった。
その代わりに目には涙が浮かび、こらえるのがやっとという状況だった。
栞を“娘”として“妻”として迎えると言ってくれた父ちゃんは、誰よりも尊敬する人。
栞の止まらない涙を拭ってくれた母さんは、俺を――“桃原直貴”をこの世に産み落としてくれたかけがえのない人。