2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side
     Twenty four --**



親不孝者の俺はまだ何も返せていないけど、もしも栞を愛することが親孝行になるのなら、それを貫き通したいと思った。


たとえあと少しの間しか一緒にいられなくても、それでも栞の笑顔のために何かしてやりたいと思った。


俺たちの結婚を認めてもらったことを機に、俺は父ちゃんや母さんに対しても、栞に対しても、そして、ヒデや雪ちゃん……香織に対しても“夫”としての責務を果たすことを新たに誓った。


父ちゃんや母さんには、今まで以上に心配をかけるだろう。


ヒデや雪ちゃんには、これからもずっと頼ることになるだろう。


香織には……“ありがとう”と、それから“ごめん”しか今は出てこない。


そして栞。
お前には、やっぱり“愛してる”だけだ。栞の人生にぴったりと寄り添う準備が整ったよ。


いい夫婦になろう、栞。
俺がそばについてるから。
栞の全てを俺に託してほしい。


絶対に幸せにするから。


だから
俺のそばで笑っていて。
 

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