2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side
     Twenty four --**



でも、栞が2回目に俺の名前を呼んだとき、急に我に返った。


――しまった!泣いたりしゃべったりで疲れてるはずなのに……。


現実に戻った俺は、ひどく疲れた顔をしている栞を目の当たりにした。


栞は何か話そうと口を開いていたけど、俺はそれを強引に止めた。


栞を一番に考えるはずが、俺は自分のことで頭がいっぱいだったんだ。


なんとか寝かしつけてやると、栞はすぐに寝息をたてはじめた。


よっぽど疲れたんだな。
気を張っていたんだな。


――ごめんな、栞。


栞の調子がいいときに、じっくりゆっくり話そうな。


だってさ、俺はまだ言えていないんだよ。


“愛してる”って。


そう言えるときまで待つから、今は疲れを癒してくれな?


ありがとう、栞。


俺を変えてくれて。
俺を信じてくれて。
俺と結婚してくれて。


あきれるほどの“愛してる”を、今度こそちゃんと言うから……。
 

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