2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty five --**



本当に、小さな小さな結婚式。
ウエディングドレスもなければ、ウエディングケーキだってない。


バージンロードも歩けなければ、キャンドルサービスだってない。


でも、この左手の薬指にキラキラと光る結婚指輪……。


ワタシと直貴だけの“愛の証”であるこの指輪。それだけがあれば、ワタシは何もいらない。


前までのワタシは、いつ死んでもいいって思っていた。


だけど、今は声を大にして違うと言える。


どんなに無様な最期になろうともワタシは人生をまっとうするって、そう言える。


直貴をはじめ、雪、ヒデ、お義父さん、お義母さん、三浦さん……長坂さんや木村さん。


ワタシのことを知っている人はけして多くないけど、だからこそ、その人たちに恥じることのない最期を迎えたい。


ワタシのちっぽけな夢がどんどん叶っていく……。


直貴と一緒にいたい。
雪とずっと親友でいたい。
ヒデと仲直りがしたい。


全部叶えられたよ。
神様、ありがとう……。
 

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