2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty five --**



ワタシは、うれしくてうれしくて語尾にハートマークを付けてそう言った。


ワタシたち夫婦の笑顔だけが、ごくごく自然にこぼれる落ちる。


「見て、栞」


すると、直貴は左手をワタシの顔の前に出した。


「ん?」


ワタシはその左手をじっと見る。


「初めて……お揃いのものができたな、栞」

「そういえば……そうだね」


そして、2人してオレンジ色の明かりに指輪を反射させた。


直貴の指輪からもワタシの指輪からも、黄金(コガネ)色をしたキラキラッとした輝きがはっきりと見えた。


「なあ、栞……」


そう言いながら、直貴はおもむろにワタシの手を取る。


ワタシは反射的に手を握り返し、直貴の顔へと視線を移す。


そのときの直貴の顔、眼差しは、なんだかワタシよりずっと年上に見えた。


そう思わせるほど、精悍(セイカン)というか男らしいというか、熱い気持ちがたぎっているといったものだった。


「……なに?」
 

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