2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty five --**
永遠に続くかと思うほどのキスもやがて終わりを迎え、結婚初夜は更けていった。
直貴は椅子に座ったまま、ワタシの手を離すことなく眠りに落ちていた。
――ごめんね、直貴。
結婚したとたん、死んだときのことを言うのは間違っていたよね。
遺言だなんて言うつもりはなかったけど、直貴にはそう聞こえたのかもしれないね……。
「愛してるよ、直貴」
眠った直貴の髪をなでながら、ワタシはもう一度言った。
直貴、ワタシの愛は届いていますか……?
ワタシは幸せだよ?
直貴は幸せですか?
ねえ、お父さん。
ワタシはやっと、愛を知ることができたよ。人を愛することができたよ。
ワタシを育ててくれてありがとうね、お父さん。
そっちに行ったら会えるかな?
もし会えたら、直貴とのノロケ話を聞かせてあげるからね。
人に愛され人を愛すこと。
ワタシにもそれができたよ、ね、お父さん……。
そして、ワタシも眠りに落ちていった。