2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty five --**
そんなある日、
ワタシの容態は急変した。
12月の中旬くらいだったと思う。
なかなか意識が戻らなくて、ワタシは1週間ほど昏睡状態に陥っていた。危篤だと言ってもいいくらい、本当に意識がなかった。
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昏睡状態の中、ワタシはいつの間にか沼の精と初めて会った沼の辺(ホトリ)に来ていた。
『小峯さん……いえ、桃原さん、よく頑張りましたね』
ブクブクとあぶくを立てながら沼から出てきた沼の精は、水面を歩きながらワタシのほうへ来ると、満足気に微笑みながら言った。
手には短い蝋燭が1本……。
ワタシの命の長さを表す蝋燭。
「はい。お迎えですよね?」
ワタシも沼の精に微笑みを返しながら言った。
『ええ。お迎えに上がりました』
少しの沈黙……。
「ねえ、あなたから見て、ワタシの人生は謳歌できと思う?」
『桃原さん、それはあなた自身が一番分かっているのでは?』