2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty five --**
そんなこと言われても……。
もうダメっぽいよ、直貴……。
ごめん、直貴。
心臓が……止まっちゃうよ……。
最期の最期の涙と笑顔。
ワタシは一生懸命笑顔を作った。ワタシは一生懸命涙を止めようとした。
でも……。
でも、涙だけは止まってくれなかった……。
「直貴、愛……してるよ……」
そう言い終わった瞬間、最期の力をふりしぼって言った瞬間……。
ワタシは人生を終えた。
最後に見たのは、くしゃくしゃの直貴の笑顔だった。
愛しい、愛しい、
直貴の笑顔……。
ワタシの蝋燭は静かに消え、ワタシの目も静かに閉じられていった……。
12月22日。
最愛の夫――直貴が見守る中、ワタシはあの世へ旅立った。
桃原栞。
幸せな人生でした。
ありがとう、直貴。
雪、ヒデ、ありがとう。
お父さん、お義母さん、ありがとうございました。
お元気で……。