2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty five --**
覚悟していたはずなのに、いざ本当になるとこんなにも違うものなのか……。
涙が枯れるほど泣いても、まだまだ出てくるんだ。
声が枯れそうなほど栞の名前を呼んでも、返事はないんだ。
静かに息を引き取った栞の顔はこんなにも穏やかだというのに、なぜなんだろう……。
なんで?
なんで……?
――なんで俺の大事な人は先に逝っちまうんだよ……。
栞のバカ。
樹紀のバカ。
「なんだよ“愛してる”って!過去形のほうがまだましだってんだよ……!」
「なんだよ!“ごめんね”とかはないのかよ……!」
「笑えよ!」
「“直貴”って言えよ!」
「栞なんか……栞なんかな……」
――いっつも俺のことばっか考えやがって……。
これからどうしたらいいのかさえ分かんねぇよ……。
「俺のためを思うんだったら生きてくれよ……!」
「残されるほうの身になって考えてくれよ……!なあ、なあ!」