2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Epilouge --**
それが、全てのような気がする。
栞の答えのような気がする……。
俺たちの物語はハッピーエンドじゃなかったけど、それでいいと今は思う。
栞と出会えたこと、
栞を好きになったこと、
栞と結婚したこと……。
栞に関わる全ての出来事に後悔はない。
してやりたいこと、言いたいことはいっぱいある。栞と離れてしまった半年は、もう戻らない。
だけど、それは栞が最期に残してくれた笑顔と言葉で埋められた。
最期の最期に、俺の後悔は埋められた。
栞が埋めてくれたんだ……。
こうして、後悔はやがて思い出へと変わるんだ。
栞に会えるのは、アルバムとビデオカメラとノートと……あとは俺の心の中だけ。
今はまだ、俺は栞に支えられている部分が多い。
“小さい男ね”なんて言う栞の声が聞こえてきそうだけど、でも、いつかは栞のようにまた誰かを愛する日が来るだろう……。
栞を重ねて見るんじゃなく、その人自身を見る日がきっと来るだろう……。