2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Epilouge --**



栞と樹紀に会えた日から数えて何日経ったんだろう……?





週明け・月曜日。


真新しいジャージを着て、俺は教壇の前に立った。


カッ、カッ、
カツッ、スーッ……。


黒板にでっかく字を書いた。


「せんせー、それって、なんて読むの?」


前の席の男の子が、書き終わるのと同時にピーンと手を挙げて聞いた。


「へへっ。なんて読むと思う?」

「いっき……いっかい?」

「んー。おしいな!」

「あたし知ってる!」


すると、隣の席の女の子が自信満々に手を挙げる。


「はい、どうぞ!」

「“いちごいちえ”でしょ?」

「正解!」


俺が黒板に書いたのは、


“一期一会”。


どんな意味なんだろう?とクラス中の子たちの目が一斉に俺に注がれる。


「これは、どんな出会いも必ず意味があるってこと。だから、大切にしましょうね、って。意味のない出会いはどこにもないんだよ、っていう言葉」
 

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