2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Three --**



別に俺は“ありがとう”を安売りしてるつもりもないし、これからだって言い続けていくぞ。


だって感謝の言葉なんだ。いくら使おうが重みは変わらない。


そして、あの部屋を最後に出るときに言ったこと。


「ワタシは1人で立てない女じゃないから」


その言葉の全てに、俺は小峯栞の強さと、それと同時に脆(モロ)さのようなものを感じたんだ。


それは、春を待つ桜の木が蕾という自分自身を守ろうと、死にそうなほど寒い冬を1人裸で耐えている姿を想像させた。


だから俺は3割の優しさで……、だいぶおまけをして9割の優しさで思い切って言ったんだ。


「少し木を見に行こうか」と。


でも、小峯栞の答えは「NO」。
言う前から分かってはいたんだ。だけどやっぱり9割の優しさをつぎこむと、断られたときの反動はスゴかった……。


フラれたわけじゃないけど撃沈。タイタニックが真っ二つに折れてしまった。


でも俺は不死鳥のごとくよみがえってみせる!
 

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