2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Four --**
**-- Four --**
桃原直貴が残したあのメモを発見してから1週間。
ワタシは、頭の片隅にはその事はあったものの、普通に普段通りに生活していた。
派遣会社からの紹介で、会社の受け付けの仕事を新たに始めた。
1週間前にひいたカゼはまだ少し残っているけど、仕事にも生活にも支障はなかった。
タチの悪いカゼにかかったりその年の流行のカゼだったりすると、薬は飲んでもしばらく治らない。
そういう類いのものだと思っていたから、特別気にしたりはしなかった。
ワタシはなぜか、桃原直貴のメモを捨てられずにいた。
拾って読んだときは、燃やすかゴミ袋に突っ込むかしようと思ったけど、どういうわけか今もワタシの手元にある。
そして、小さな机に放ってあるそのメモを見るたび、少しずつ桃原直貴に興味を持つようになっていた。
――字、ありえないくらいヘッタクソ!
その字から、暗い中で急いで書いたことが読み取れる。
かろうじて読めるくらい、本当にヘタクソな字だった。