2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Four --**



相談しようと思っていたのに、いざとなるとできなかった。


ワタシは目の前にあるあのメモを持って、今さらながら雪に言うべきかどうか悩んでしまった。


「嘘つけ!栞ちゃんがわざわざあたしに電話するってことは、何かあったってこと。これ、あたしの勘なの。絶対嘘!」

「……鋭いね、雪って」

「バレバレだっつーの!」

「うん、じゃあ聞いてくれる?」

「どんと来いっ!」


・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:*:・゚'★,


それからワタシは合コンの日から今日までの経緯を説明した。


桃原直貴が引っ越し屋さんだったこと。


引っ越し当日、カゼで倒れたワタシを看病してくれたこと。


番号とアドレスの書いたメモがポストに入っていたこと。


そのメモに“ストーカーになる”と書いてあったこと。


そして1週間、ワタシがそのことで悩んでいたこと。


その間、雪は買い物を終わらせてスーパーの中の休憩所でワタシの話を聞いてくれていた。
 

< 74 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop