2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Four --**



一通り話し終わると、雪はワタシにこう言った。


「ゲーム、壊れちゃうかもしんないね」





雪は、前の会社に入ったとき、ワタシの3週間くらい後に入ってきた子だった。


雪もワタシも同じ派遣会社に登録していて、偶然同じ会社に配属になった。


雪は最初からワタシのことを“栞ちゃん”と馴れ馴れしく呼んで、事ある毎にワタシを頼っていた。


始めは正直ウザいと思ったけど、ワタシが素っ気ない態度をとってもそれを“カッコい〜”と言ってついて歩いていた。


特に雪を嫌う理由も見つからなかったから、ワタシはお決まりの“ゲーム”の中のキャラクターとして受け入れていった。


雪とは約2年のつき合いで、その間にワタシは可能な限りワタシについて話した。


ワタシがする“ゲーム”のことも話したことがあった。


でも雪は“ゲーム”という意味を理解しても、ワタシと変わらないつき合いをしてくれた。


少し変わった感性を持った子――それがワタシが分析した雪いう子だった。
 

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