2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Four --**



――壊れる?


「なんで?今セーブしてるとこなんだけど」


ワタシは雪の言葉に一瞬、不安をおぼえた。


「セーブねぇ。じゃあ、もうそのゲームはそこで終わりかな」

「どういう意味?」

「続きはやらないってこと」


――続きはやらない?


「できるよ。てか、やる!」


ワタシは少しムキになっていた。


「栞ちゃん、あのさ」


雪はフゥと軽く息をはいてから、静かに言った。


「なに?」

「栞ちゃん、来年25でしょ?小学生の恋愛じゃないんだからさ、分かってやりなよ、その……、ほらっ!名前なんていうんだっけ」

「……桃原直貴」

「そうそう!その桃原さんって人の気持ち」


――……??ちょっと待ってよ、お雪さん。


「ワタシに気があるっての?」


ワタシはヘソで茶を沸かせるくらいちゃんちゃらおかしかった。


「そうだと思うけど?」


そう言った電話の向こうの雪の顔が、ワタシにははっきりと想像できた。
 

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