2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Four --**



そのまま、雪はキャッチが入ったとか何とかで電話を切ってしまった。


ワタシはしばらく、ツーツーという電話が切れた音をただ呆然と聞いていた。


手にはあのメモ。
雪には連絡を取れと勧められた。
そしてワタシは……。


・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:*:・゚'★,


雪に相談してから3日過ぎ、5日過ぎ……季節はとっくに12月になっていた。


ワタシはなかなか連絡を取る勇気が出ないでいた。


メモを発見してから雪に相談するまでの1週間と、それからの日々、桃原直貴からは拍子抜けするくらい何も連絡はなかった。


もちろん部屋の前で待ち伏せされるなんてこともなかった。


だからかもしれない。
余計に桃原直貴が今なにをしているのか、どんなふうに生活しているのか。


そして、ワタシのことをどう思っているのかが気になったのは。


ワタシはいつしかゲームをセーブしたことすら忘れて、この心にぽっかり空いたつまらない日々の中を、12月の“今”を生きていた。
 

< 81 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop