2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Four --**



怪訝(ケゲン)な顔をするワタシに、心底申し訳ないという顔をしながら沼の精は話す。


『大変申し上げにくいのですが、その……、お気を悪くなさらないでくださいね』


そう前置きをする始末。


「なんですか?ワタシはちょっとやそっとじゃ傷つきませんから。ストレートに簡潔に話してください」


――なんだかムカついてきたぞ。


歯切れの悪い沼の精に、ワタシは夢から追い出したい気分にすらなっていた。


「では簡潔に言います。このままでは、私はあなたの蝋燭を吹き消さなければならなくなります。それも早いうちに……」


――死ぬの、ワタシ?


体中の血が一気に退いていくのをワタシは感じた。


『あなたの蝋燭は日々、燃え続けております。しかも他の方より速いスピードで……。ですので、私はあなたに人生を謳歌(オウカ)していただきたくこうしてお願いにあがっているわけです』

「……消えて」


ワタシは、沼の精をギロッとにらみながら静かな声で言った。
 

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