2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Four --**



ワタシの人生はあと少し?
人生を謳歌しろ?
ワタシはこういう生き方しかできないのに……。


『忘れないでください。どうか私の存在を夢だと思わないでください』

「……聞こえないの?」


ワタシのにらみにも動じない沼の精は、早口でそう言った。


『どうかあなたの人生を諦めないでください。あなたは愛し愛されるために生まれてきたのです、だから……』

「耳、ついてないの?」


ワタシは沼の精の言葉を遮った。


『……分かりました。申し訳ありません』


そう言い残し、とても悲しそうな顔をして沼の精は沼へ戻っていった。


ワタシはその夢のあと、急に咳き込んでしまった。


咳も治まりだんだん冷静になってくると、ワタシは言いようのない孤独感と絶望感に襲われた。


それでもワタシは“夢”だと思っていた。


だから沼の精なんかの言葉には騙されてたまるもんか、そう虚勢(キョセイ)を張っていた。


クリスマスの日、あの電話が来るまでは……。
 

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