2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Four --**



今度は社員全員を見渡しながら聞いた。


「はい」

「分かりました」

「社長がそうおっしゃるなら」


口々に社員たちは許し認めていった。


「この話はこれでおしまいじゃ。ほれ、お前たち、早く仕事をせんかい!」


社長はそう言って、昨日の一件を見事に取りまとめた。


それが合図になって、社員たちはそれぞれ仕事に戻っていく。


「……社長、ありがとうございました」

「ありがとうございました」


お礼を言う吉田さんに続いて、俺もお礼を言った。


「ほれ、あんたらもじゃ。早く仕事をせんかい!」


社長はそんな吉田さんと俺を、笑顔で励ましてくれた。


仕事に戻る途中、俺は吉田さんにもひたすら謝った。


でも、吉田さんは「私のミスよ、気にしないで」と言って、俺の肩を軽くポンポンと叩いて慰めてくれた。


元はと言えば、俺が勝手にイタズラのつもりで小峯栞を怒らせてしまったことが原因なのに……。
 

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