2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Four --**



俺がウジウジとショックを引きずっている間に、季節はもうすぐクリスマスになっていた。


前にも言ったけど、俺にはプレゼントをあげる彼女もいないし、クリスマスを一緒に過ごしてくれる彼女もいない。


クリスマスムード一色になっている街を見ても、俺の心は弾むわけがなかった。


そんなある日、仕事終わりに1人で飲んだ帰り、俺のケータイが鳴った。


――そんなに鳴んなくても今出るからさ〜。


「もしもし〜、どちら様?引っ越し屋はもう閉まりましたよ〜」


俺はだいぶ酒が入っていて、電話をかけてきた人の名前も見ずに通話ボタンを押したんだ。


「あ!桃原さんの携帯ですか?あの、私、栞ちゃんの友人で、この前合コンで一緒になった向井雪(ムカイ ユキ)です」

「なに?迎え酒?それなら明日飲むっつーの!」


雪ちゃんの名前が“迎え酒”って本当に聞こえたんだ。


「はっ?私は“ムカイ ユキ”です!栞ちゃんの友だち!」


――栞ちゃんかぁ……。
 

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