2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Four --**
「桃原さん、25日のクリスマス、空けといてください」
「はぃ」
「場所はこの前の合コンの店ですから」
「はぃ」
「時間は夜の8時です。以上!」
「はぃ。……おっ!わっ!えぇ〜っ?」
「何か質問ですか?」
――雪ちゃんからのデートのお誘い?
俺は度胆を抜かれた。
俺は小峯栞に興味がある。
でも……雪ちゃんもいいかも?なんて考えてしまった。
「えと……、他には誰か来るのかな?」
押さえきれない欲望の波が、小さな理性をどんぶらこっこ〜とさらっていく。
「あぁ、私の彼氏と栞ちゃんですけど何か?」
――ショック!
雪ちゃんには彼氏がいるみたい。俺の欲望は、その一言で潮(シオ)が引くようにスーッと体の奥へ消えていった。
「ああ、そうなんだ。小峯栞さんも呼ぶんだね」
俺は拍子抜けした声で力なく返事をした。
「この間、電話で話したときに栞ちゃん、桃原さんに興味があるって言ってましたよ?」