2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Five --**



でも、あの沼の精が夢に出てきた日に咳き込んで以来、苦しい咳もなく日常生活に支障なんて全くと言っていいほど感じない。


あの人との間に子どもができるわけもないし、本当にただのカゼだと信じていた。


だってあの人とのセックスは、念には念を重ねて避妊してきていたから万に一つもありえない。


安全日くらいはハメを外したりもしたけど、妊娠なんてしない。


ワタシは子どもを産んで育てるなんてできないから、あの人に頼んでそうしてもらっていた。


あの人は別に文句も言わなかったし満足していたみたいだから、ワタシも体の関係に関しては満足していた。


ワタシは、雪との待ち合わせに指定された、大通りの中央付近に立つクリスマスツリーの前でそんなことを漠然と考えていた。


時刻は午後7時50分。
4人で集まる店までは、歩いて5分もかからない。


雪は、ワタシが本当に来るのかどうか疑わしいと言って、彼氏と来るのをやめて待ち合わせをしようと言った。


――寒いし恥ずかしいから早く来てよ!
 

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