2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Five --**



だから今、穴があったら入りたいくらい恥ずかしい思いをしてこんなに目立つツリーの下に1人いるってわけだ。


――雪のやつめ、50分には来るって言ってたのに!


ワタシは時間通りに事が運ばないとイライラする性分らしく、少しでも時間が押したり待たされたりするのを極端に嫌っていた。


『ブー、ブー、ブー……』


そんなイライラしているときに、タイミング悪く電話がかかってきた。


ワタシは電話をかけてきた人の名前も見ずに電話に出た。


今思えば相手くらい確かめておけばよかったと思うけど、その時のワタシは雪に待たされていることで余裕がなかった。


『ピッ』


「はい」


ワタシの声は、否応なしに不機嫌になってしまう。


「……あ、久しぶりだな、元気にしてたか?」


電話の主は、あの人……。


そういえば、桃原直貴に出会ってからというもの、ワタシは“ゲーム”をしているのも忘れていて、あの人の番号を着信拒否するのをすっかり忘れていた。
 

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