2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Five --**



おまけに、2年ごとに変えるという恒例行事の“髪型を変える”ということもせずに1ヶ月あまりを過ごしていた。


――元気?も何も、連絡しないでって言わなかった?


「……」


ワタシは答えなかった。


電話の向こうのあの人の表情は見えないけど、ワタシの無言の答えに傷ついたみたいで、あの人の息遣いは悲しそうな雰囲気を醸(カモ)し出していた。


「……実は僕、はぁ……」


電話の向こうのあの人は、なかなか本題を話さない。


戸惑っているというか、声に出したら自分が壊れそうというか、なんだかあの人らしくない感じだった。


「離婚ですか?しなくていいって言いませんでしたっけ」


そんなあの人に、ワタシのイライラは募るばかりだ。


こういうはっきりしない人は、男だろうが女だろうが虫酸(ムシズ)が走るほど嫌い。


「いや、あの……」


――なんだよ、はっきり言え!


「はぁ……。待ち合わせしてるんで時間ないんです。用がないなら切りますから」
 

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