彼女がお酒を飲んだら
俺はソファの真横にあぐらになり、まじまじと彼女の寝顔を眺めていた。

どれくらいそうしていたか分からないが、ふと気になって時計を見ると夜中の11時45分。

もう帰んなくてもいいだろ。明日も休みだし。

と勝手に決めて、彼女を隣のベッドへ運ぶ。もちろん、ゆっくり寝かせてあげたいというだけ。と、まるで自分に言い聞かせるように胸の中で唱えた。

それなのに、ベッドに彼女を降ろす瞬間、寝ていた彼女の腕が俺の首に回ってきた。

起こしてしまったかと思ったが、そうではなく、単に寝ぼけているだけだった。

半分覚醒してるようなまだ夢の中にいるような、微睡んだ彼女は、

「キュってして。」

と甘えてくる。

深い意味はないなと判断する。
酔って寂しくなるタイプ、または、俺を元彼と間違えてるだけ。


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