彼女がお酒を飲んだら
ゆらゆら身体が揺れている。

しまった、と思った時には遅かった。
彼女はいつの間にか酔っぱらってしまっていて、心ここにあらず。
酔うと揺れるんだな。

ひとまず店員に水を持ってきてもらい、

「酔った?水飲める?」

彼女の肩をそっと叩き、耳元で声を掛ける。

「んー?もらう…。」

こくこくと少しずつ水を飲む姿を見て、内心慌てた。

すげーかわいい。

何この小動物を彷彿とさせる水の飲み方。

心の中でだけ彼女の可愛らしさにもだえながら、どうにか顔に出さないよう最大限努力する。

「とりあえず、今日はこれくらいでやめておこうか。」

とお開きを告げて席をたつ。

酔っ払いのくせに割り勘で、という彼女を制し、自分から誘ったからと支払いを済ませる。



< 8 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop