彼女がお酒を飲んだら
店の外に出ると、いくらか涼しくなった夜の空気に触れ、俺の方は完全に通常モード。

ところが彼女はまだふわふわとしていて足元が覚束ない。

「大丈夫?」

今にも倒れそうなので右手を差し出すと、

「うん、へーき。」

と言って、俺の差し出した手をとりそのまま繋いで歩き出す。

全然平気じゃないだろ。

多分、今彼女の世界はくるくると回っているに違いない。なんとなく楽しそうにしているのが救いだ。

酔うとこうなるタチか。

今までだって同期で飲む時に今日くらい飲んでたことはあるだろ。

でもなんだろ、この無防備感。

本当にいつもこんなだったのか。

よく今まで無事だったよな。
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