愛するほどに狂おしく
本音は押し殺して
理との極端なくらいにいちゃいちゃする日々。
おめかしをして、お気に入りのワンピースを着て、手を繋いで、街へデートにくり出す。
私があと一歩間違えは誠を忘れそうな時、そんな時に限って誠は連絡をくれる。
ディスプレイに映し出される「誠」の文字。
理は私の顔を見ただけで、兄さんでしょ?と笑う。
やっぱり敵わないなぁ兄さんには、と伸びをする理の言葉を私は、慌てて否定することもできず、かと言って当たり前でしょなんておちゃらけた肯定をすることもできずに黙った。
「今週末、帰ってくるって。2日だけだけど。」
それだけ理に告げた。
理は誠が帰ってくる連絡が入った時だけ、友人の家に泊まりに行く。
「ごめんね、理。」
このやりとりをもう何回やっただろう。
その度に理は優里は謝んないでよ、たまには友だちもいいもんだし、と定型文のように同じ言葉が返ってきた。