人気者の早坂さん、ひとりぼっちの雨宮くん。
4月、新しいクラスで
私の名前は、早坂ミキ。
今日から、亀北高校の2年生になる。
学校に着くなり、『友達』や『友達?』から「おはよ」と声をかけられる。
私は、お決まりの笑顔を取り繕って「おはよ」と返す。
「おーい、ミキぃー!おはよ!」
「おはよー!なんかいつもより、テンション高くない?」
「だって、今日クラス替えだよぉ
ミキだって、涼太くんと一緒のクラスになりたいんじゃないの?」
「そうかなー?
彼氏と同じクラスになってでもって感じじゃない??」
「まぁねー、てゆーかあたし彼氏いねぇし。」
「がってん。」
私は、リアクションに困ったら「がってん。」っていう言葉をよく使う。
黒髪のボブカットがよく似合う友人のヒカリ。
高校に入って、一番最初に出来た友達だ。
「おはよー!」
「おはよ!」
「てか、クラス発表されてる??」
「まだ、されてないよー」
「今年は修学旅行あるからかなり重要なクラスだよね!」
「うちらが一緒になれたらいいよねー」
「確率はかなり、低そうだけどねー」
決まって一番最後に登校してくるのがエリカ。
薄茶色のロングヘアがよく似合っている。
自分で言うのもなんだけど、
私たちは可愛いくて、オシャレで、
なおかつ誰からでも話しかけられやすく、
言わば女子グループのランクで最上位にいる。
私はそんな空気を感じる時が一番気持ちいい。